DX(デジタルトランスフォーメーション)を企業で推進した事例まとめ

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中小企業ではBCP対策が未整備だったり、人手不足のなかでも生産性の向上を図る必要性に迫られていますよね。また、時代につれ変化する市場に対応しなくてはなりません。

実はこのような課題を新しいIT技術で解決することも可能なのです。中小企業の課題を解決できる新しいIT技術の活用、それがDX(デジタルトランスフォーメーション)です。実際にDXに関する事例によって、大企業では業務効率化や経営の黒字化にもつながっているのだとか。

では、どんなIT技術がどの課題解決に使えるDX(デジタルトランスフォーメーションになる)のか、ひとまずイメージをつかむため具体的な事例を知っておきましょう。そこで今回は中小企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進事例をまとめて紹介します。

 

そもそもDX(デジタルトランスフォーメーション)とは、どんな意味なのか

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DX(デジタルトランスフォーメーション)は定義する人や組織によって様々に解釈されていますが一般的には「ITによる技術革新が社会に大きなインパクトを与え、人々の生活様式や働き方、ビジネスモデルが新しく切り替わること」とされています。

それでは、中小企業におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)がどうなるのかというと、紙の書類からデジタル処理に移行したり、IT活用による業務効率の向上、最新のIT技術による市場創出があげられます。具体的にはどのように実現されるものなのか、以下の4つの事例を通してイメージをつかんでみましょう。

 

DX(デジタルトランスフォーメーション)の導入事例その1:BCP対策にクラウドを導入、黒字転換といううれしい副産物も

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ビジネスホテルチェーンを展開する松月産業株式会社は、東日本大震災の経験後、BCP対策のため基幹システムをクラウドに移行し、業務効率化も合わせて果たしました。

震災当時、同社は早期に営業を再開できたものの、自社サーバーがダウンして手作業での業務対応を強いられることになりました。しかし、翌年に全社共通の基幹システムのクラウド化とチェーン全体の見える化を断行、災害リスクに対応できるようになっただけでなく黒字化も実現させました。

万一被災すると、オンプレミス(自社所有)のサーバーやITシステムは稼働不能やデータ消失の恐れがあります。クラウドの利用は場所を問わないため、人員の安全と通信手段を確保できれば、業務が停止する最悪の事態を避けられます。

クラウドは平時においても高いメリットがあります。自社運用に比べコストがかからず、システムの維持リスクもありません。設備保守やセキュリティ対策をサービス会社に一任でき、システムの更新管理やサポート終了にわずらわされることもないのです。

松月産業のDX(デジタルトランスフォーメーション)事例のように、システム移管をきっかけとして、非効率な業務の見直しと業務フローの再構築により業績を上向かせることもできるかもしれません。

 

DX(デジタルトランスフォーメーション)の導入事例その2:IT活用による業務の負担軽減と質の向上、離職率の大幅改善

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介護事業者である株式会社航和は、業界の課題でもある人材不足やスタッフの離職に悩んでいました。自社スタッフの離職率の原因が実は事務作業の大変さにあることを突き止め、クラウドシステムの導入を決定しました。

以前は紙の書類による事務処理を行っており、様々な課題が噴出していました。伝達事項やケアプランの日々の配布にコピー作業が必須で、ファイル保管スペースが不足しており、利用者情報の検索にも時間がかかっていました。紙によるメモはスタッフ間の情報共有に限界があり、利用者の履歴情報の迅速な把握は困難でした。

クラウドシステムの導入でスタッフは非効率な事務から解放され、業務の質の向上も図れています。スタッフ全員が利用者の状態を共有できるだけでなく、文字や音声、画像でリアルタイムに把握できるようになっています。また無線通信のBluetooth端末を利用した朝のバイタル測定など、実効的なケアにもつなげています。これは着実にDX(デジタルトランスフォーメーション)を実現した事例といえますよね。

この結果、同社の離職率は20%台から8%に大きく低減しました。介護実務だけでなく、予実管理や請求業務を効率化でき、全社的な経営改善が図れました。

 

DX(デジタルトランスフォーメーション)の導入事例その3:スマートファクトリー化による生産性向上とグループウェアによる業務効率化

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次いて、製造業のDX(デジタルトランスフォーメーション)の事例を紹介しましょう。

株式会社小松電業所は多品種少量、多工程一貫生産を特長としますが、国内外に拠点が点在し生産性が低い課題がありました。そこで、同社はIoTセンサーとクラウドツールを組み合わせ、スマートファクトリー化を推進しています。具体的にはコンベアにセンサーを設置し、稼働状況の見える化とボトルネックの発見・対処を実施しました。塗装ラインの一工程あたりの作業時間と稼働率がそれぞれ10%改善したほか、夜間残業ゼロを実現させています。

同社のDX(デジタルトランスフォーメーション)の事例では、間接部門の改善も同時にしています。グループウェア導入とペーパーレス化、業務フロー見直しで、年間1,120時間、約200万円のコスト削減に成功しました。代表的な改善例にビデオ会議による出張削減、申請手続きの簡素化、ファイル共有による共同作業があげられます。これらにより、有機的な部門連携とコスト削減が図られています。

製造現場では属人的な運用がなされがちですが、スマートファクトリー化で管理業務の負担軽減と効率化を推進できます。リアルタイムモニタリングと一元管理ができれば、管理者を問わず適時・適切な対処をとりやすいですよね。

 

DX(デジタルトランスフォーメーション)の導入事例その4:紙の管理体制から脱却し、IoTによる事業展開をするまでに

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空調メンテナンス業の日美装建株式会社の事例は、中小企業がDX(デジタルトランスフォーメーション)を果たした好例といえます。アナログな紙による管理体制から脱却しただけでなく、最新のIoTを活用して新サービスを展開するまでに至っています。

同社はかつては紙を使った作業管理をしており、伝達不足が慢性的に発生していました。紙類の保管スペースの確保や情報検索の困難さ、また行き違いによる再清掃の発生に悩んでいたといいます。エアコン清掃案件のうち、約1割の現場が赤字でした。

クラウドシステムによる体制移行を決めた同社は、業務連絡の未達を解消し、赤字案件をゼロにしました。スマホを活用した現場状況の収集、リアルタイムデータによる可視化・情報提供により、現場移動する作業者の利便性にも配慮しています。さらに請求事務のデジタル化で手続きが迅速になり、残業ゼロも達成しました。

そのうえ同社はIoTを活用した画期的なサービス提供に乗り出しました。エアコンにIoTセンサーを取りつけ、室内の空気成分を分析、顧客の状況に応じてサービスを提供、今まで定期点検や保守で済ませていたものを、デジタルデータで管理し、故障やメンテナンスの最適化・効率化を実現しているといいます。

この事例は一律のサービスでなく、顧客それぞれの状態に応じた個別対応が将来的に標準となる可能性を示唆しています。IoT、また5Gで各種データをビッグデータとして収集・分析し、顧客ごとにきめ細かいサービスを提供することで、差別化を図る手段となるかもしれません。

 

成功事例から学ぶDX(デジタルトランスフォーメーション)導入のポイント

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中小企業が新しいITを取り入れる際に、以下の視点を持つことで、紹介事例のように無理なくDX(デジタルトランスフォーメーション)を果たせます。

  • 将来的なITリスクの軽減
  • 人的リソースの有効配分
  • 顧客志向のデータ活用

新しいIT技術導入に際しては、メンテナンス性やBCP対策はどうなのかを考慮しましょう。多くの中小企業がクラウドサービスに移行しているのは、このポイントをクリアできているからです。

少数精鋭の中小企業はマルチタスクが当たり前で、事務作業に忙殺されて本来の業務に十分に時間を割けない企業も見られます。電子化による事務負担の削減、業務の属人性をシステムで回避できれば、最適かつ効率的な人員活用が可能になります。

国内市場の成熟化とともに、個別対応のニーズが高まっています。自社商品に関するビッグデータを収集し、中小企業の知見とデータ分析を合わせれば、顧客に寄り添った対応も可能になるでしょう。中小企業にとってはIoTや5Gは時期尚早と感じるかもしれません。しかし、このようなDX(デジタルトランスフォーメーション)の潮流や紹介事例を頭の片隅に置いておくと、今後の事業展開を有利に進められる可能性があります。

 

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さて、今回は中小企業の課題を解決するDX(デジタルトランスフォーメーション)の事例を紹介しました。中小企業もITで守りを固めて業績を向上させたり、さらに新事業を展開して飛躍することも可能です。

  • BCP対策 :クラウド導入
  • 離職率低減 :デジタル化による負担軽減
  • ラインの効率化:スマートファクトリー
  • 事業創出 :IoTによるデータ収集と分析

紙の書類による業務実態を変えたい、情報を社員間で共有して効率化したいと漠然と思っても、どんなITサービスがいいか迷っている方もいるでしょう。ほかにも、新しいIT技術は様々あり、IoTや5Gだけでなく、書面を電子化するOCR、PC作業の自動化プログラムのRPAなどがあります。これらをうまく組み合わせて、社員が生き生きと働ける環境づくりに役立てられるに違いありません。

 

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